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たまには服飾について

おしゃれな新人


 

部署が違うのでいつも見てるわけではないのですが、今期入社の新人の中になかなかおしゃれな子がいるなと思ってました。

 

勤務地が固定されている僕と違い、その子の所属部署は本部以外にも出向くことが多くオフィスで一緒になったり、通勤で見かけることもたまにでした。

 

それが偶然通勤時に彼女を見つけました。

この日も若い子にはハードルの高いやや濃いめの茶のロングコートに同色系のハーフブーツという出立ち。

 

「おはようございます」と僕。

一瞬マスクをした僕がわからなかったようですが、すぐに認識したようで

「おはようございます、◯◯◯◯(苗字と役職名)」

 

「いつもおしゃれですね」

「えっ! あっ、ありがとうございます」と彼女

 

「おしゃれが好きなんですね」

「ええ。服とか大好きなんです」と彼女。

 

「◯◯◯◯も、すごくおしゃれですよ」と彼女

「ありがとう」

「今日のネクタイはどこのかな?って話題になること多いんですよ」

「そう、ありがとう、嬉しいね」

 

 

 

 

 

洋服と和服


 

実際の会話でしたが少し自慢も入っちゃたかな?^ ^;;

 

僕がこの会話の中で感慨深く感じたのは、彼女が云ったこのフレーズ

「ええ。服とか大好きなんです」

 

僕は今でも「洋服」と云います。

そう、和服と洋服を分けているんですね。

 

服? 服といっても洋風と和服のどっちなの?という感覚が根強くあり、和服以外は「洋服」と云い、和服は「着物」と呼ぶことが多いんです。

 

でも、今の若い子にとって服は洋服を指すのでしょう。

服といって和服を連想することはないのでしょう。

 

 

 

 

 

日本人の服飾が板につくまでは。。。


 

僕が社会人一年生当時から服飾のみならず、様々なことを教えてくれ今でもお付き合いのある人生の師Sさん

 

今から三十五年以上前、彼が言い続けてきたのが「日本に洋服の文化を定着させる」

その具体的な第一歩として実現を切に願っていたのが、今では考えられないビジネスシューズに白のワンポイントソックスを合わせるという禁じ手>_<

 

実は当時はこれがまかり通っていました、いや、極めて自然でそういうものだという意識が一般人にはありました。

 

僕の記憶にあるワンポイントのソックスは傘のマークのアーノルドパーパー、金色の熊の刺繍のゴールデンベア、バタフライのタイをした妙に耳の長いウサギのプレーボーイ、素足のマークのハンテン。。。

 

ほぼダークグレー、いや当時は鼠色と云いましたかね、その没個性なダークの背広には決まって黒のビジネスシューズ。この全身ダークトーンで埋め尽くされたなかで宵の明星のごとくチラリと煌めく真っ白のソックス!

しかもその踝部分にはこれ見よがしにブランドであることの象徴のようにワンポイントの刺繍が威光を放っていました>_<

 

 

 

 

 

洋服を服というようになったら。。。


 

綾小路きみまろじゃありませんが、あれから四十年。。。

 

もうビジネスシューズに白のワンポイント付きスポーツソックスを合わせてる輩など皆無になりました。

こういったことは法律や条例で制定し施工されるものではありませんし、義務教育の中の授業で教えられるものでもありません。

 

直接間接を問わずファッションに関わる意識の高い人々の地道な啓蒙によって長い時間をかけて知らず知らずのうちに変わっていくものでしょう。

 

当時S氏が云ってました。

「自分たちが洋服と呼んでいるうちは真の意味での西洋の服飾文化は日本に根付かない。洋服を服と呼ぶようになった時それは達成される」

 

おしゃれな新人との会話の中で発せられた「服」という言葉に、社会人一年生二十代前半の頃の思い出が蘇りました^ ^

 

 

 

 

 

お洒落な人と洒落た人


 

今は亡きVAN jacketの創業者にして、戦後男の服飾で社会現象を巻き起こした張本人 石津謙介氏の言葉。

「お洒落な人じゃなく洒落た人になるんだよ」

今でも自分の生き方の指針です。

 

画像はInstagramで65万人以上のフォロワーを持つbonpon511ご夫婦。

なんと二人のライフスタイルは写真が中心の書籍にまでなってます。

 

このお二人僕とは志向が違いますが、とても「洒落た人」という印象を受けます。

bonpon511ご夫婦の洋服の志向はほぼCOMME des GARÇONSかな。。。と思ってたのですが、ほとんどがファストファションとか^ ^

この二人のコーディネイト技術や雰囲気合わせが素晴らしいですね。

 

多分家のインテリアもシンプルでFrancfrancよりも無印良品、KEYUKAでしょう。

車ならミニかフォルクス・ワーゲン、ことによってはまるでバスのようなワーゲンのタイプⅡを所有しているかも。

 

 

 

 

 

 

外見からライフスタイルがイメージ出来る


 

bonpon511ご夫婦がそうなように「洒落た人」は洋服を通して、その人のライフスタイルがイメージ出来る、透けて見えてくる人のように思います。

 

目は口ほどに物を言うの例えじゃないですが、我なりを百の言葉で言われるようりも、その人の外見と立ち居振る舞いを見るだけで人となりが見えてくることがあると思います。

 

「お洒落な人」は服飾を楽しんでいる人。

そして「洒落た人」とは生き方、生き様が服飾から滲み出てる人かも。

 

その方向性は別でも生き方は自分自身が納得すること、楽しめること、自然であること、無理のないこと。

結果それが、らしさを生みます。

 

僕も好きな服飾やインテリア、音楽のジャンルが、いかにも僕らしいと思われるような生き方をしていきたいですね^ ^

 

 

 

 

 

 

AI loves AI そして絶品イタリアン

立春の神楽坂と姉のお見舞い


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コメント: 2
  • #1

    豆子 (日曜日, 11 2月 2018 23:46)

    スーツに白のソックスでお決まりのワンポイント!懐かしい光景だなぁ。流行りのワンポイントソックスを何足も持っていて……というか、そういうソックスしかなかったような記憶だけど、違ったのかなぁ?

    今、高校生の息子はスーツのような制服に白いソックス、ワンポイントの出で立ち(笑) この伝統は崩れないような気がするわ!何故白いソックスなんだろう?って疑問に思ったことがあったけれど、発祥はそこにあったのね!

  • #2

    晃ちゃん (月曜日, 12 2月 2018 23:24)

    豆ちゃん、懐かしいよね^ ^;;
    豆ちゃんの記憶に間違いはありません、白にワンポイントのソックスが席巻していた時代でした。

    問題は。。。ビジネスマンもスーツにその白のワンポイントソックスをスーツに合わせていたこと(笑)
    今でも高校生はそうなんですね。
    どうなんだろう、元呉服屋さん的には白足袋の伝統が日本人のDNAに組み込まれてるようなきがする(笑)

    日本人がカラーで遊ぶことを覚えたのに大きく貢献したのはベネトンじゃないかな。
    今でもユニクロのソックスコーナーを覗くとソリッドカラーのソックスは様々な色がありますが定番の白もきっちりありますからね。

    でも僕のワードローブに白のソックスはないかも。。。
    トップサイダーの白のキャンバス地のデッキスーズには白のソックスが合いそうですけど、なぜかトップスの色に合わせた色のソックスを選んでますね。

    今の時代で嬉しく素敵に思えるのは、定義もないのに年相応という妙に地味なファッションから自分なりの表現を服飾でする年配者(僕も含めて^ ^;;)が増えてること。
    それにはユニクロの貢献度が高いと思うな。

    あの定番ユニセックスエイジレスというコンセプトはありそうでなかった。
    VANが提唱したIVYやトラッドもある意味パーツファションだったけど、そこにはTPOというルールを知る必要があったんです。

    でもユニクロのパーツファッションはその組み合わせの幅がとても広い。
    時代がドレスからカジュアルに流れてきていることも大きいですね^ ^

    豆ちゃんとはディープな珈琲の話、それにファッションの話も出来るね^ ^
    コメントありがとう^ ^ 楽しかった♡