一昨日の北里大学名誉教授 大村智氏の医学・生理学賞受賞の朗報に引き続いて、物理学賞でも日本人が受賞の栄誉に輝きました。
東京大学宇宙線研究所所長の梶田隆章氏がカナダのアーサー・B・マクドナルド氏とともにニュートリノに質量があることやニュートリノ振動でこの栄誉を受けました。
日本人としてのノーベル賞受賞は24人目で、物理学賞としては11人目の快挙です。
自称物理学マニアの僕としては(笑)、ニュートリノの質量発見での受賞に驚きを隠せんません。
地球をも貫通する電子の100万分の1以下のニュートリノには電子型、ミュー型、タウ型の三種類があり、飛行中に別のタイプに変身する不思議な性質があ り、この振動現象をニュートリノ振動というのですが、これを確認できればニュートリノに質量があることの証明になります。
梶田氏はこれを上の画像のスーパーカミオカンデを使って確認したわけです。
この発見は、素粒子物理学の基本法則「標準理論」の枠組みを超えた新たな物理学の到来を意味して、宇宙に存在する四つの力の重力以外を纏めて説明する新理論の構築の大きな手がかりとなりそうです。
このことがどれぐらい凄いことかというと、それまで地球を中心に天体が動いていたと思われていた時代に、そうではなく地球が回っているという天動説を唱えたガリレオ・ガリレイの発見に相当するとのこと…
この発見はミクロの世界の現象にメスを入れる大発見ですが、それを展開することで宇宙の起源も解明される糸口になりそうです。
僕の大好きな星空。
その星達の輝きは、実は全て過去。
光の速度はおよそ秒速30万キロメートル。地球から月までの距離は約38万キロメートル。
ですから今見ている月は実は約1秒強前の月の姿を見ているわけです。太陽は約8分前の姿です。
つまり美しい星空、それは全て過去へのタイムマシーン。
過去は全て美しくなるのです。